EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


「おー、よくぞここまで改造したな」

「人間の業者に頼んだから問題はないと思うが……何か足りなかったりするか?」

フェオドールに尋ねられ、よくよくキッチンを観察する。

流しにコンロ、その隣には冷蔵庫や電子レンジの家電があり、食器棚には新品とおぼしき食器が並んでいた。

流しの下の棚を開けてみればヤカンや鍋やフライパンなどが目に入る。

他の棚や引き出しも調べ、最後にカウンター横の炊飯器を確認すると、小鳥は笑顔で言った。

「大丈夫です!ありがとうございます!これで料理ができますっ」

「それは良かった」

「ん~…けどさ」

カロンが冷蔵庫を開けて中を覗き込みながら大事なことを指摘する。

「食糧、なくねぇ?」

カロンの言う通り。

冷蔵庫の中身は空っぽ。

肝心の食糧品がない。


「あ……」

「食糧なら明日買いに行けばいい」

「だとさ。今日はまだ俺が買ってきたメシだな」

「はい…。いつもありがとうございます」

食糧調達係のカロンに感謝しつつ、小鳥は明日からの料理を想像して胸を弾ませた。