「え！？カロンさん！？」
小鳥は驚いて目の前まで来たカロンとテレビ画面を交互に見つめた。
間違いなく画面の中にもカロンがいる。
「カロン、仕事は終わったのか？」
「ああ。今日はもうフリー」
のんびりと会話する二人に、小鳥は怖ず怖ずと問い掛けた。
「カロンさん…テレビに出てたんじゃ…」
するとカロンはテレビをちらりと見て「ああ」と声を漏らした。
「それ、この前撮ったやつ。放送されんの今日だったんだな」
どうやら生放送の番組ではなかったようだ。
「そっ、そっか…」
答えがわかれば別に驚きにも値しない単純なことで、小鳥は一瞬でもビックリした自分が恥ずかしくなった。
小さくなる小鳥。
そんな彼女を横目に、ふとフェオドールがあることを思い出した。
「そうだ、忘れる前に伝えておく。マドモアゼル」
マドモアゼルの単語に小鳥が反応し、フェオドールを見る。
「キッチンができた。この居間の横にある部屋だ」
