六人息子の一人だろうか。
それにしても背の高い人だ。
190cmはありそうだ。
なんて考えていた小鳥の視界に彼のドアップが映った。
「ひゃあ!?」
至近距離で見つめられてビクリとする。
「てか、あんた面白いな。ご丁寧に自己紹介されたの初めてだ」
「そう、なんですか?」
「そ。餌にすんの勿体ねぇ気がすんなぁ。おーい、オーレリアン」
カロンの言葉に首を傾げていると、奥から白衣をまとった金髪少年がやって来た。
オーレリアンと呼ばれた彼は小鳥を一瞥すると不平を漏らす。
「メス一匹?少ないよ」
「量より質だろ?」
「ま、時と場合によるね」
オーレリアンは注射器を取り出すと、小鳥の腕を掴んだ。
そして強引に袖を捲る。
「っ!?痛いです!何するんですか!?」
「暴れるなよっ。家畜の分際で僕の手を煩わせるな」
「か、家畜!?」
初対面の人間相手に家畜呼ばわり。
ショックを受ける小鳥などお構いなしに、彼は注射器で小鳥の血を抜き取った。



