「でも、自然と思いやってしまってるのかもしれない。
好きな人には嫌われたくないから、自分でも無意識のうちに。」
希美さんの手に触れた。
1人の人の手に触れるだけで、こんなに 鼓動が早くなったりするんだな。
希美さんに触れる手が、指 一本一本が熱い。
「俺、まだ 返事聴いてない。
俺と付き合うの……嫌⁇」
希美さんと目がバチッーと合う。
身体に電気が走ったみたいに 何か 動けなくなってしまった。
「私は……、私が好きなのは……芸能人としての翔平さんであって だから……そんな人が隣に居て 私のことを好きだと言ってくれるこの現状があまり理解できていなくて……」
「変な理屈は抜きにしよう。
付き合えるか、付き合えないか。」
好きか嫌いかなんて、その後でいい。
これから、無理にでも好きになってもらうから。
「……私なんかでいいの⁇」
「希美さんだからこそ、好きだと思えたんだ。」
「……まだ、1人の人としての翔平さんのことなんて 全然知らないし……」
「これから、お互いを知っていけばいい。」
人間としての俺を見ようと思ってくれているだけで 嬉しいから。
今すぐ俺のことを好きになれ、なんて 言わないから。
いつか、想いが通じればいい。



