愛「大丈夫。」

私がそう言うと、

慧「そう?」


と、言って嬉しそうに笑った。




愛「ねぇ、宇都宮くん?」




慧「“宇都宮くん”なんて、やめてよ?


慧って呼んで?」



愛「……じゃあ、慧?



あなたがずっと私を付けてたの?」



慧「僕の使い人達に頼んだんだよ。



友愛はなんであんな馬鹿3人と一緒にいるの?」


愛「馬鹿3人?」


慧「神瀬 玲

柊 來哉

松田 晃輔だよ。」



愛「あー、


始めはね、嫌だった。


新しいお父さんとか言う男にボディーガードをつけるとか言われてあの3人を紹介された。



私は女子校育ちのお嬢様ではなかったけど、


男と関わることが少なかった私にとって


彼たちと関わるのは抵抗があった。



おしゃべりでちょっとバカっぽくてムカつく玲。


可愛い顔して裏がある來。


無口で結構毒舌な晃。



でも、3人と関わっていくうちに、



周りを見てて、優しい玲


やっぱり可愛くて、私のためにみんなに黒い自分を見せちゃう來。


無口だけど嬉しいと人並みに話すし、嫌いなものは絶対に食べない晃。



こんな3人を私は好きなの。」



慧「……それは男の子と関わってなかった友愛ちゃんと長い時間いるからそれを好きって思ってるんじゃないの?」




愛「……そぉなのかな…。」




慧「そうだよ、きっと。



僕と一緒にいたら僕にも同じ気持ちを持つんじゃないかな?」




愛「ねぇ、私はいつまでここにいるの?


みんなのご飯が…」




慧「それなら大丈夫。



『実家に帰ってくる。』



って、書いた置き手紙置いてきたから。」




愛「そぉ…


でも、晃は美味しいものしか食べれないの。」




慧「一流シェフに作らした物を冷蔵庫へ入れといた。」





愛「……そっか。




(…私の代わりは居るんだよね。


3人のご飯を作るのは私じゃなくていいんだよね。)」




慧「これから2人、仲良く暮らそうね?」




愛「……そうだね…」




私は涙を隠し笑った。