「あ、凛花ちゃんどこ行ってたの?もう競技始まっちゃってるよー!」
『ごめん、ごめん。』
席に戻ると由美ちゃんが少し怒ったように腰に手を当てて立ち上がる。
その時、
_パーン!
っとピストルの音がして、
クラス対抗リレーが始まったみたいだ。
《僕のこと応援してね。》
奏太くんの言葉を思い出し、私は前に乗り出した。
「凛花ちゃん誰か好きな人でもいるの?」
『ちがうよ、先輩!』
「あー。蒼井先輩?可愛いよねあの先輩!」
由美ちゃんは納得したようにポンっと手を打つ。
奏太くんやっぱり有名なんだ。
私の応援届くかな…??


