始業式の時、凛花に声をかけたのは偶然なんかじゃない。


あたしが狙ってやったことなのだ。



絡まれていたのは予想外だったけど…





実はあの日の朝、登校したあたしのケータイに優からメールが入った。




【To.優
朱理、さっきさ俺の家の近くの角で女にぶつかったんだけどさ、誰だか知ってる?この学校の制服きてたんだけどさ。謝りそびれて 】



優の家の近くに引っ越して来る人がいるのは知っていた。


でも、まさか高校生の女の子がいたなんて…




【ちょっと先生に聞いてみるわ。遅刻するんじゃないわよ。】




あたしはケータイを閉じると職員室に向かって歩き出した。