どうして私こんなこと…


私は無意識に柊さんの手を掴んでいた。



『ごめんなさい。私ずっと柊さんのこと何も知らないのに、真面目だとかすごい人だとか周りに流されて勝手にイメージ膨らませてました。』


始業式のあの歓声で、


朱理との日常の会話の中で、


体育祭のファンクラブの人たちの影響で



私の思う柊さんは完璧な人だった。



でも、世の中完璧な人なんていない。


みんな努力してるんだ。




何も知らずにキラキラしてます。


なんて言ってしまった自分が恥ずかしくて私は目を伏せる。






『柊さんのこと知れて良かったです。』