「まだ、【あのこと】引きずっているの?」



「そーだよ!悪いかよ!」



「別に。」



朱理だけが知っていること。



数年前の【あのこと】は…



他の誰にも言えない。


優の秘密。











「最後にひとつ。
あんた、今日自分の気持ちに気付いたんじゃない??」






「あぁ。
俺は____。」









「そう、なら良かったわ。」




朱理は曲げていた腕を伸ばすと優しい笑顔を優に向けた。