「まだ、【あのこと】引きずっているの?」 「そーだよ!悪いかよ!」 「別に。」 朱理だけが知っていること。 数年前の【あのこと】は… 他の誰にも言えない。 優の秘密。 * 「最後にひとつ。 あんた、今日自分の気持ちに気付いたんじゃない??」 「あぁ。 俺は____。」 「そう、なら良かったわ。」 朱理は曲げていた腕を伸ばすと優しい笑顔を優に向けた。