《それでは彼氏さん、彼女さんを抱っこしてくださいー!!》
さっきまでいた場所に解説の人がいなくなっていたのでびっくりして見渡すと、たくさんのカップルの真ん中あたりでマイクを持ったまま笑顔で彼氏さんに抱っこされている解説さんを見つけた。
なるほど、だからあんなにテンション高かったんだ。
もしかして、知らなかったのって…
私と優だけ?
奏太くんは知ってたのかな?
何も教えてくれなかったけど…
_グイッ
突然視界に青い空と…
優の顔が映る。
私、優に抱っこされたんだ。
『あ、え…。
わ、私重いよ、、』
初めてのことにテンパる私を見て優は笑う。
「大したことねーよ。
それじゃあ、全速力で走るから俺の袖にでもしっかり掴まってろよ!」
スタート!
と共に走り出した優。
これ別に競争とかじゃないんだけどな…
まぁ、いっか。
優がそれでいいなら__


