『高校生の時、好きな人がいたの。
私はその人と目を合わせながら話したり、声を聞いたり、手を繋いだり…それだけで精一杯で……』
そんな子どもみたいな恋に夢中で、
子どもみたいな恋におぼれていて。
『だから……彼がそれ以上先のことを望んでること、全然気付けなくて………』
目の前に居る人の想いにさえ気付けないほど鈍感で、
だから彼を傷つけてしまったんだー…
『でも…彼の本音を知って……彼の“好き”の言葉が、想いが嘘に聞こえて……』
そこまで言った時、私はいつものように彼の腕の中に包まれていた。
『………あ、…あの……』
『先輩、今、俺が先輩にこうしてるのも嫌?』
いつもは背後から、でも今日は前から抱きしめられていて…
でも、不快感はなかったー…
何か温かいものに包まれる感じで、すごく心は満たされていて、その腕の中は安心感があったー…

