恋砂糖を一粒召し上がれ






人気のあまり感じない場所まで連れてこられた。


近くの壁に私を押し付けると、私の手を引いていた左手を離し、両方の手で壁についた。


彼の両手と壁の間に納まる私を彼は真剣な目で見つめている。




『先輩、答えてよ?
 俺に落ちない、本当の理由を…』



いつもの甘くて低い声ではなく、ただの低い声に男の恐ろしさを感じる。






『花菜先輩、教えてよ?』



『……好きな人がいるとか……そういう訳じゃな……い…の……。

 ただ……私はもう…恋はしたくないの…』



震える声に、彼は眉間に皺を寄せる。





『花菜先輩、俺はただの後輩?
 どんなに花菜先輩に想いを伝えても俺は先輩に好きになってもらえない?』




怖い-…


怖い-…





後輩の君が、

いつも抱きしめてくる君が、

こんなにも怖い人だとは知らなかった-…






『先輩、俺のことを好きになってよ』




彼は言い終えると同時に顔を近づけてくる-…