君なんか。

誠さんは、ハッとして「やべぇやべぇ」なんて言いながら、スタッフルームへ走っていった。



優希さんも大宮さんに、「すみません」と頭を下げ、スタッフルームへ行ってしまった。



大宮「あお!!いいから笑って!!」


ドタバタし過ぎていて言われたことを忘れてぽかんとしてしまっていた。



青葉「な、なんで、急に…」

大宮「いいから!!!」

大宮さんの圧に押されいつもよりひきつった笑顔をした。





リリリン♪




大宮・青葉「いらっしゃいませ!」



大宮さんが、お辞儀するのに続いて頭を下げた。


来店したのはさっきの小柄の女の子。


大宮「ようこそ、いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。マリナ様。」


大宮さんらしくない、硬い喋り方。
マリナって言うのかあの人。



マリナ「大宮さん。こんにちは。新人さんが入ったのね。




新人さんが頭を下げるのが遅かったようですけど?ちゃんとしないとダメですよねぇ。」




さっきの可愛げな女の子はどこへ……
トゲのある言葉をズラズラと並べて、批判ばかり。



マリナ「新人を雇ったって、そんなに人が来るわけでもないのに(笑)そんなお金があるならお店のリニューアルでもしたらどうです?」



人が来るわけでもって!!


青葉「あんたなぁ!!」
大宮「黙って、あお。」


大宮さんが俺の前に立った。


大宮「申し訳ありません。ですが、誠さんがいらっしゃらないときに入ってもらう子なんです。」



満面の笑みで頭を下げ対応した。



マリナ「あぁ、そう。ところでまこくんがいないようだけど。」


相澤「マリちゃん!ごめん!準備遅くって。」



スタッフルームから靴を履きながら出てきた誠さん。




マリナ「遅いよぉ。もぉーいくよ!」



誠さんの腕を掴み店を出ていく、二人。


相澤「おつかっしたー!また、明日ー!」




パタンっ。




大宮「…ふぅー。」



大宮さんの大きなため息が響く。



青葉「まさか。あの人って…」


大宮「そーそー。あれがまーくんの彼女。どっかの令嬢なんだと。あと、これが1番の行事ね。いつも勝利さんと入れ違いでくるの、まーくんを迎えに。」



明らかに嫌そうな顔をして話続けている。



大宮「よく買ってくれてるから、文句は言えないんだけどさー。あ、だからダメだよ?暴言とかはいたら(笑)」




ポカッと頭を叩かれる。
するとスタッフルームの扉がそーっと開き、




優希「もう、大丈夫ですか…?」