あたしの前の彼






「葉山…くん?」

「あーわり、気にしないで」


てか、まだ「葉山くん」なのかよ。
さっき綴のことは名前で呼んでたのに。


「なぁ、なな」

「ん~?」


手際よくおかゆをつくるななに近づく。

「俺のこと、海斗って呼んでくれないわけ?」


「へ…!?な、なんでいきなりそんな…」

顔を赤くしてきょどるななはいつか見たものと同じだった。


「いや、綴は名前なのになんで俺は苗字なのかなーって」

「だっ…て、恥ずかしい…から」


目を伏せるななが何となく色っぽかった。

「…じゃあ、呼んで?海斗、って」

「無理…ぜったい無理…!」


綴はいいのに…?なんてむかついて、ななの後ろにまわった。


そして、

「―――ひゃっ…!?」

耳を甘噛みしちゃったりした。