会いたい。


「では、俺はこれで。」



と、斎藤さんは部屋から出て行った。



行ったのを確認すると俺は一息つく



「ふぅ…」




俺は店の名前を書いた紙を眺めた。



宇目と剪か…



本当に聞いたことのない名だな。



それにしても鈴の本名が鶫とはな…



「…かわええな。」



俺はぼそっとつぶやいた。



言った後に気付き、口元を隠した。



「……!」



な、何を言うてるんや?



俺は意味もなく照れた。



「調子狂うわ…」



なんてつぶやいていた時障子が勢いよく開けられたから、驚いてしまった。



「山崎さんっ!」



「な、何事や。」



思わず素で話してしまった。



藤堂さんか…



藤堂さんは走ってきたのか少し息が上がっていた。