部屋から出た俺と斎藤さんは無言で俺の部屋へと向かっていた。



部屋に着いた時も入った時も暫く無言だった。



俺は我慢が出来なくなって斎藤さんに話かけた。



「斎藤さん、教えて下さいませんか?」



「あぁ。まず、3番隊の見廻り範囲の近くにある小物屋、宇目。そして、剪(キリさ)という刀屋だ。」



俺は斎藤さんが言ったことを、真っ白な紙に書き付けた。



宇目と、剪…と。



「ありがとうございます。」



確か明々後日が非番だったような…



その時に行くか。



なんて考えてたら斎藤さんが俺に聞いてきた。



「鈴…の首の後ろにあるやつ……、山崎さんが付けたのか?」



「は?」


斎藤さんの声が何時もよりも小さくて聞こえなかった。



「いや、だから…その…。鈴の首の後ろにある赤い印…山崎さんがつけたのか?」



「赤い印…ですか?いえ、知りませんが。」



鈴についていたのか?



全く気づかなかった。