動きが止まったのにも関わらず鈴は動こうとしていた。
鈴の瞳は悔しげに俺を見ていた。
思わず背筋が寒くなった。
「はぁ…」
俺は道場を出て自室部屋向かう間考えた
これからあいつをどう使おうか。
いっそ、隊士にでもするか?
隊士にしてもいいが、あいつは女だ。
新選組は女厳禁な場所なのに、隊士として入ったら間違いなくあいつは虐められる。
いくら男装して入っても、いつかばれてしまう。
小姓…いや、さっき断られたんだっけな
『あたしは一生、先生だけの小姓ですから。』
鈴の言葉が蘇る。
「先生だけの…か。」
あんな真っ直ぐな瞳で言われたら、強制はさせたくはないな。
俺は自室へと入り机の前に座った。
それと同時に部屋の向こうから声が聞こえた。