俺はそれを必死に防いだ。


隙をみて攻めようと思ったが全く隙なんかなかった。


だから俺は少し間をおいて隙を作ってみた。


その僅かな隙に俺は攻め込んだ。



が、鈴は身のこなしで避ける。



それの繰り返しをしていたら俺の体力は削れて行くばかりだった。



対する鈴は息など乱れてはいなかった。



俺は一か八かの賭けで初めと同じように一振りに出た。



が、意図も簡単に弾かれる。



これで終わったと思って、沖田が終わりの合図をかけようとしたら鈴は咄嗟に俺が落とした竹刀をとった。



その時の鈴の目はまさしく獣の目をしていた。



目の前にいる獲物が倒れるまで襲いかかってくる獣のようだった。



俺は足が動かなかった。



いや、動けなかったんだ。



俺に当たりそうな所で鳥のよう鳴き声が道場に響いた。



その瞬間鈴の動きが止まった。