「参ります!」
あたしは何かが壊れたように土方さんに向かって走り出した。
「鈴っ!」
「鈴ちゃん!」
「はぁっ!」
あたしは土方さんに勢い良く振りかぶった。
「……っ!」
土方さんに当たる前
ピィーー
どこからか鷹のような鳴き声が道場に響いた。
あたしはまた無意識に体が止まる。
「っ!」
体が動かない。
目の前の人間は生きているのに
殺せない…
あたしは必死に体を動かす。
けど、動かない。
悔しい、悔しい…
なんで人間は動けてあたしは動けないの
不思議とあたしの心は黒く濁っていった
「鈴ちゃんっ!」
沖田さんがかけよる姿を見てあたしは意識を手放した。



