土方さんが目の前に居た。
けど、手には何ももってはいなかった。
「土方さん、竹刀は?」
「いちいち聞かなくても、てめぇは見てたからわかるだろ?」
沖田さんがニヤニヤしながら土方さんに聞いていた。
「こいつに弾かれたんだ。」
そう言って土方さんはあたしを指差した
「あたし…が?」
「あぁ。今度はちゃんとやれ。もう一度だ。」
「はい。」
土方さんは少し離れたところにある竹刀を拾いにいき、あたしたちはまた向き合った。
「今度はお前がやりたいようにやってみろ。」
やりたいようにやる。
「分かりました。」
あたしが頷くと沖田さんは合図をだした。
「では、始め!」
「参ります。」
あたしは土方さんに向かって行った。
やりたいようにやるんだ。
あたしはさっきみたいなのが嘘のように無意識に体が動く。
「くっ…!」
「やぁっ!」
あたしは勝手に動く体に必死について行った。



