「えー、やですよ。」
沖田さんは此方に歩んできた。
「まぁいい。その代わりちゃんとみとけ。いいな?」
「はーい。」
沖田さんは小さく咳をしながらあたしと土方さんの近くに立った。
「鈴、防具はいるか?」
「いや、やめときます。」
それつけたら重くて動けなさそうだから。
「では、始め。」
沖田さんの合図で始まった。
合図があったと同時に土方さんが向かってきた。
あたしはギリギリでそれを避ける。
何度かその繰り返しだった。
「逃げてばかりいないでかかってこい!」
「そう言われましても…っきゃぁ!」
あたしって本当に剣術してたんでしょうか?
ふと、あたしは思った。
してたのなら体は無意識に動く筈。
「おりゃぁ!」
あたしがぼーっと立ち止まっていたら、土方さんがあたしの顔を目掛けて竹刀を振ってきた。
思わず目を瞑った。
バシッ
「なっ…」
土方さんの気の抜けた声が聞こえる。
あれ?
あたし今何をした?
土方さんが竹刀をあたしにめがけて行こうとしたら、バシッと何かがぶつかる音が聞こえて…
恐る恐る目を開けてみると



