「はぁ?」
「鈴君っ。」
近藤さんは焦っていた
「もう一回言ってみろ。」
「出来ないです。」
「なんでだ。」
「あたしは一生、先生だけの小姓ですから。」
「先生?」
「はい。名前は忘れてしまったんです。けど、先生は先生です。」
あたしがそう告げると近藤さんと土方さんは顔を見合わせて、考えていた。
「何の先生だ?もしかしてお前剣術していたのか?」
「そう…みたいですね。あたしの手には剣だこがあるみたいです。」
あたしは二人に手のひらを見せた。
すると二人は固まっていた。
「どうしました?」
「…相当の使い手だな。」
土方さんが何か言ったみたいだけどあたしには全く聞こえなかった。
「あの…」
「鈴、俺と一本勝負だ。」
「え?」
「着流しだし動きやすいから、袴に着替えなくてもいいだろ。」
「え?え?」
なんだか、剣術しそうなんですが…
あたしは絶対やりませんよ。
「木刀と竹刀どっちがいいか?」
なんだかんだでやることとなりました。
あたしがやりませんって何回も言ってるのに、土方さんに担がれて道場に連れて行かれました。
「どっちでもいいです。」
「竹刀の方が軽いから、竹刀な。」
ほら、と土方さんはあたしに竹刀を渡してきた。
「ほら、構えろ。折角隊士が稽古してる最中に追い出したんだから、あいつらが可哀想だろ?稽古をしないと命取りになるんだからな。」
「わ、分かりましたよ。」
あたしは構え方なんかも忘れてしまったから、適当に構えた。
「行く____」
「土方さーん!僕にその試合見させてください。」
土方さんが合図をしようとしたところ、沖田さんが道場に入ってきた。
「てめっ!総司!!お前は風邪がまだ治ってないんだから、大人しくしてろ!」



