「もう一度聞く。君には親がいるのかい?」
「多分いると思います。」
「はっきりと答えろ。 はっきりと。」
「記憶がないから仕方のない事です。」
「そうか…。なら、暫くは本当にここで暮らすしかない。」
近藤さんがそう言った。
「あぁ、そうだな。おい、鈴。お前は今日から俺の小姓とする。」
ー"鶫、お前は今日から私の小姓とする。いいな?"
"……"
"返事は?"
"は、はい!あたしは一生先生の小姓になります!"
"はは。一生とは。____が妬くよ。"ー
一瞬また記憶が蘇った。
今度は頭痛はしなかった。
ただ凄く悲しい。
「鈴、お前はちゃんと聞いてるのか?返事は?」
土方さんが少し怒り気味で言う。
あたしが出す答えなんか決まってる。
ううん。
こうしか言えない。
「…い、いえ。」



