会いたい。



________
____



「ほら、着いたぞ。」



早歩きでいく山崎さんを必死について行ったら急に山崎さんが立ち止まった。



「…っ。」



だから、山崎さんの背中に突っ込んでしまった。



あ、山崎さんの匂いがする。



なんだかこの匂い好きだな。



すんすん匂いをかいでいた。



「…い、おい。」



「は、はい。」



「入るぞ。」



「え、あ、はい!」



我に返って山崎さんから少し離れた。



「副長、山崎です。」



「山崎か。入れ。」



山崎さんはその場に座り込み障子に手をかけた。



慌てて山崎さんの隣に座り込んだ。



「失礼します。」



山崎さんは障子を開け一礼してから中に入ったので、あたしも真似て一礼してから中に入った。



「鈴、閉めろ。」



山崎さんの隣に座ろうと思ったら、そう言われた。



「はい。」



あたしはきちんと閉めて同じところに座った。



「鈴には今日1日、俺の手伝いをしてもらう。いいな?」



「はい。」



「ってことで、山崎お前は仕事に戻れ。」



「御意。」



山崎さんは立ち上がって、そのまま部屋を出ていった。



「まず、掃除してくれねぇか?」



「はい。」



「箒と雑巾は確かそこの押入れの中に入ったままだと思うから。」



あたしは押入れの中を探り箒と雑巾を見つけた。