沖田さんがあたしの肩を支えてくれた。
「…いや。いやいやいやいやいや。」
まただ
心が拒絶をする。
ー『思い出したくない。』
そう頭の中で拒絶している。
苦しい…
「鈴さん、大丈夫ですか?!」
あぁ、沖田さんの声が遠くなって行く。
「鈴さ______」
思い出したい
思い出したくない
どうして何故迷いがあるの?
「ううっ……」
あたしの目から涙が零れ落ちた。
「鈴さん!もう、思い出さなくてもいいです。僕が悪かったです。ごめんなさい…」
「……っ。」
ふわりと暖かい温もりがあたしを包む。
沖田さんがあたしを抱きしめてるんだ。
「…っいや!」
ドンッとあたしは沖田さんを突き飛ばした。
「いっつ…」
沖田さんが痛がる声であたしは我に返った。
「お…沖田さん!」
あたしは慌てて沖田さんに近寄る。
「す、すいません…」
「いや、平気。僕の方こそごめんね?それよりも僕を起こしてくれませんか?」
沖田さんが手を差し出してきたから、あたしはその手を両手でつかんで沖田さんを起こした。
「……この手…」
「沖田さん?どうかしました?」
「いや、なんでもないです。それより、もう寝ませんか?夜は冷えて来ますからね。」
「はい。」
丁度よく眠くなってきた気がしたから部屋に戻ることにした。
「では、お先です。おやすみなさい。」
あたしは沖田さんにそういうと、足を払って部屋へと戻った。
部屋へと戻ったあたしは布団の中に入り無理やり目をつむって寝た。



