「鈴、入るぞ。」
勝手に開けるのは気が引けるので声をとりあえずかけた。
が、中から何も返事すらない。
寝てるのか?
俺はそーっと開けた。
「スースー…」
やっぱり。
鈴は隅で丸くなって寝ていた。
俺はご飯を机の上におき、起こさないように布団を鈴にかけた。
ガタッと近くにあったものを踏んでしまった。
すると鈴は一つ身動ぎをした。
「……!」
起こしたか?
俺は鈴の顔を覗き見た。
すると
「………ごめんな、さい。」
そう言って鈴は涙を一つ流した。
「……っ。」
「…………あたしのせいで、ごめんなさい。」
涙は一つ、また一つと鈴の目から零れ落ちた。