「すいません、遅くなりました。」
幹部だけが食べる部屋へはいると皆さんはもう揃っていた。
「気にせんでいい。な、歳。」
「あぁ。」
「ありがとうございます。」と言って、俺は何時もの場所に座った。
「では、皆が揃ったところで食べようか。いただきます。」
局長がそう言うと俺たちはご飯を食べ始めた。
早く食べて鈴のところへ行こうか。
俺はそう決めていつもより早めにご飯を食べ進めた。
「一君って、今日何処へ行ったんだ?」
「町だ。」
隣で斎藤さんと藤堂さんが話をしているのが聞こえる。
俺はつい耳を傾けてしまう。
「町?へぇー、珍しいんだな。」
「そーいや、俺町で斎藤を見たぞ。」
永倉さんが途中入ってくる。
「お前、鈴と一緒だっただろ。逢い引きか?」
ピタッと俺は動かしていた手を止めてしまう。
同時にふつふつと黒い何かが俺の心を曇らして行く。
「ち、違う。鈴の着物を買ったりしてたんだ。」