帰り道、斎藤さんに屯所でのことを教えてもらいながら帰っていた。



「俺らがいるところは屯所と皆呼んでいる。他は何かないのか?」



「今のところないんで、また教えてもらってもいいですか?」



「あぁ、いつでも聞いてこい。」



「ありがとうございます。彼の方は…土方さん?」



屯所へ着いたと思ったら、門の前に仁王立ちした土方さんがいた。



「鈴、今日からお前は山崎の部屋に行け。いいな?」



「はい。」



「斎藤、こいつを山崎の部屋へ案内してやれ。」



それだけいうと土方さんは屯所の中へと入って行った。



「……」


斎藤さんをみると表情が曇っていた。



「斎藤さん?」



「…す、すまない。こっちだ。」



「はい。」



あたしが声をかけると元の表情に戻って行く斎藤さん。



あたしは何故だろうと疑問を持ちつつ、斎藤さんについて行った。



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「ここの部屋だ。薄暗いからな、気をつけろ。」



山崎さんの部屋の場所は屯所の中の奥の方だった。



迷子にならないように気をつけなきゃ。



「山崎さん、いますか?俺です、斎藤です。」



「はい、どうぞ。」