「はぁ、はぁ…」
俺の名は山縣有朋。
高杉と同じく吉田松陰先生がやっていた塾生。
そして、長州藩士で高杉が率いる奇兵隊の一員で高杉の補佐役みたいなものだ。
俺は高杉の奴に言われた通り、俺らがよく使う刀屋へと着いた。
中に入り、鶫の姿を探す。
けどどこにもいない。
「じいさん、鶫来てたのか?」
俺は店主のじいさんに声をかける。
「高杉に聞いたのじゃな。ここにはもう、鶫はいない。」
「どこにいるかは?」
「知らん。それに、今あいつにあってもあいつは、記憶がなくなっておる。だから、話しかけても無駄じゃ。」
俺はその言葉を聞いて頭の中が真っ白になる。
記憶…喪失?
「本当なのか?」
「何もかも全てあいつは忘れておる。」
俺は何かが崩れる音が聞こえた。
全て…
「そうか、邪魔したな。」
「どうしても会いたいと思うなら、場所を教えてやろうか?」
「…教えて、ほしい。」
「そうか。あいつは今新選組におる。」
「新選組?…!だったら、危ないじゃないかっ!」