「落ち着けって。話を聞いていたのか?あいつは今記憶をなくしているかもしれねぇのに。ましてや、新選組側にいるんだぞ?」
「だからじゃないか。あいつは俺たちの仲間なんだ。ばれたりでもしたら、捕まって殺されるかもしれねぇんだぞ?」
伊藤の言うとおりだ。
こんなところでグズグズせずにあいつをこちらに連れ戻したい。
けど、また池田屋での件と一緒だ。
古高を新選組から取り返そうと池田屋で俺たちの仲間の一部が話し合いに向かった。
が、逆に打ち返されてしまった。
打ち返された中には俺らと同じ門下生…吉田稔麿を殺られてしまった。
もう二度と仲間を失いたくはない。
「そうやったら俺らの仲間は打ち返されてしまった。」
だから、俺は伊藤を止めるんだ。
本当は俺も今すぐここを離れて鈴を連れ戻したい。



