まだ好きなんだな。
有朋は、鶫に出会ってからずっと片想いをしてる。
あいつと鶫は結ばれてから、俺はあいつに聞くと
「もう、諦めた」
とその一言が返ってきた。
その時お前は悔しそうな顔してた。
「はぁ…。」
鶫を探す時だっていつもお前は誰より必死になって探してた。
「全然諦めてないじゃないか。ったく、帰ってきたらあいつにも酒に付き合ってもらうか。」
俺は藩邸へと戻ろうと足を再び進めた。
藩邸へと帰ると玄関先で伊藤が迎えでた。
「高杉、お前どこに言ってたんだ?」
伊藤博文。
こいつは松陰先生の塾の門下生の一人。
もちろん俺もなんだけどな。
言い忘れたが俺の名は高杉晋作。
家は裕福で生活に困ることはなかったのだが、何故かそんな生活に飽きが来た。