あたしは無くさないように首に巻きつけた。
「何故、そのようなところに巻く？」
「入れるところがなかったので首に軽く巻いてつけときました。」
「きつく締すぎるなよ。」
「大丈夫です。」
あたしたちは店を後にした。
そのあとは呉服屋へ行き、着物を2着と黒の着流しを買ってもらった。
着物はいいと言ったのに、斎藤さんは頑なにあたしに似合う着物を選んでいた。
そんな斎藤さんを見てあたしは折れて結局買ってもらうことにした。
淡い桃色の着物と、黄色の着物。
着流しはあたしが欲しいと言って買ってもらいました。
呉服屋から出てあたしは斎藤さんにお礼を言った。
「斎藤さん、今日はありがとうございます。」
「まだ、行くところある。」
