鈴から渡されたのは簪としても使える髪飾りだった。
にしても変な模様だな。
鈴に魚の絵とか…
俺はそう思いながらも鈴に後ろを向いてろとお願いしたら、すんなり後ろを向いてくれた。
俺は鈴の長い髪を自分の櫛で一つに束ね簪で止めようと、髪を持ち上げた。
「……!」
俺は驚きを隠せなかった。
鈴の首の後ろには赤い花が一つついてた。
…山崎さんか?
いや、それはないな。
山崎さんも俺と同じように、女が苦手だからな。
一体誰が…。
「斎藤さん、まだですか?」
鈴の声でハッと我に返る。
「あぁ、すまん。」
俺は止めていた手を動かし髪を結った。



