「斎藤さん。もしかして、これを作ってたから朝ここにいなかったのですか?」
「まぁな。」
「斎藤さん、ありがとうございます。」
なんだかお礼を言いたくなったの。
____"誰かに何かしてもらったらお礼をいうのですよ。分かりましたか?___に、____。"
ズキン
「いっ…!」
あたしはまた頭痛がして、こめかみあたりを抑え目を瞑った。
「鈴っ!大丈夫か?」
慌てて斎藤さんが駆け寄る。
「いや、いやいやいやいやいやいやいやいや…」
何故だろう。
記憶が蘇って嬉しいはずなのに…
体が
あたしの心が
強く拒絶をする。
「鈴、落ち着け!」
斎藤さんが必死にあたしに呼びかけるけどあたしには全く届いてなかった。
あたしはひたすら記憶が蘇ることに拒絶する。



