ガラ



山崎さんと入れ替わるように、斎藤さんが入ってきた。



「飯持ってきた。食えるか?」



「…多分、食べれると思います。」



「そうか。食べれるだけでもいい食べろ。」



斎藤さんはあたしの横に腰を下ろすと、布団の横に置いてくれた。



綺麗な形したおむすびが二つ皿の上に置いてあった。



「いただきます。」



あたしは手を合わせておむすびを一つ手にとり、齧った。



「美味しい…」



あたしがそう呟くと、小さく斎藤さんが笑うのが聞こえる。



「それは良かった。」



あたしは結局二つとも食べてしまった。