いくら後悔したって遅い。



もう遅いんだ。



何もかも。



「はははっ…。何したら、何を捧げたら以蔵さんのところにいけるのですか?」




あたしが壊れていく音が聞こえ始めた






いいえ、あたしはこわれてなんかない



あなたと離れたくないだけ。



けど、いつもあなたはあたしの手に届かないところに行ってしまう



なんで

なんで、


なんで、なんでなんでなんで…




ずっと一緒にいられないの…?



やっと会えたと思ったら


また離れて…




もう離れないと思ったのに

何度もあなたは簡単に離れてく



「嫌、嫌嫌嫌嫌嫌嫌ぁぁぁー!」



もう嫌だ。



何もかもが嫌だ。



「鈴っ!」



誰かがあたしを包み込む



「嫌っ、離して下さいっ。」



あたしは誰か分からない人を一生懸命振りほどく



けど、その人は何度も何度でもあたしを包み込もうとする。



「落ち着くんや…。」



あたしに言い聞かせるように、優しく低い声で宥める。