涙を止めようとしても止まらない。
ジャリ
ふと足音が遠くからこちらに向かってくる音が聞こえる。
あたしは慌てて涙を拭いた。
涙を拭き終わり空が丁度見えた。
「月…」
綺麗な三日月が輝いていた。
いつの間にか人がいた気配すらも忘れて月に見入った。
そういえば以蔵さんとよく布団から抜け出して、こっそり見つからないよう二人で月を見たっけ。
2人で肩を並べて眠たくなるまで月を見たっけ。
次の日は2人とも布団の中に戻されてて、先生たちによく怒られたんですよね。
…なんで今これを思い出すんだろ。
もっと昔の…
いや、昔の記憶も駄目です。
記憶を思い出した以上ここから出て行かないといけません。
それに出て行くとしたら、あたしの正体を明かさないといけませんね。
それだけは絶対いやです。
ましてや、新撰組に保護されるなんて…
これからあたしどうしていきましょうか
「やっぱりあの時無理矢理にでも…」
ふとあの時のことが蘇る。



