「そんなこと出___」
「出来るんじゃよ。わしは特別じゃからな。」
それ以上聞こうとしても、聞けなかった
いや、聞けれなかった。
「では、鈴のことはどうなんだ?」
「それを聞いてお主はどうするんじゃ」
「どうする?そんな事決まってる怪しいからだ。」
すると籟はため息をついた。
「それは仕方ないことじゃな…。擂(すばる)、あの時のことを話せ。」
擂と呼ばれた狼が一歩前にでる。
先程の狼か。
「またやったっていうのは、あの日と同じ状態だったからだ。あの日俺は嫌な予感がして鈴の匂いのする方へと向かったんだ。」
擂は俺の目の前に来ると静かに語りだした。
「そしたら、鈴は血だらけで…、周りは火で包まれてて…。そんな中鈴は倒れていた。慌てて俺は引き返して籟様を探したんだ。籟様はすぐ見つかったよ。その後急いで鈴の元へと向かったんだ。そこには……」
擂が話すのをやめた。
何処か苦しそうだった。
「そこには、倒れていた筈なのに鈴は必死に起き上がろうとしてたんだ。傷は見てて痛々しい。俺は鈴のそばに駆け寄った。鈴は多分無意識に起き上がったんだと思う、焦点が合わない状態でうわ言のように
"置いて行かないで、あたしを助けて…"
そう言っていたんだ。」
それっきり擂は黙ってしまった。
直様籟が続けた。



