思い出すことを覚悟してたはずなのに、



思い出すことに関して怖くないと思っていたはずなのに、



「こんな記憶なんて思い出さなければよかった…。ううっ…、以蔵さん。」



とめどもなく溢れてくる涙。



「会いたいです…。会いたいよぉ…」




いくらそう願ったって、以蔵さんにはもう会えない。



そうよ。



もう以蔵さんに会えないんだ。




以蔵さんにもう2度と生きて会えないのなら、あたしは1人で生きていくなんて出来ない。



いくら、仲間がいたって以蔵さんがいなければ意味がない。



あたりを見れば大きな炎があたしのすぐそばまで来ている。



またあの日のように火に飲み込まれたい




この命なんか










イラナインダ。







あたしはゆっくりと倒れていった。




最後に



「鈴っ!!!」



って、あたしを必死に呼ぶ声が聞こえた