「山南さんに聞いたのですけど、鈴さんの持ってる簪あるじゃないですか。あの簪って鈴がついてますよね?」
「えぇ、まぁ。」
「鈴付きの簪って、今町で恋仲達の間で人気らしいですよ。なんでも、ずっと一緒にいられるという言い伝えがあるんですって。男から女へ渡さないと効かないらしいですけど。」
だったら、鈴付きの簪を鈴が持ってるってことは誰か他の男からもらったものだったのか?
「そ、そんなの迷信じゃないんですか?」
つい、そんな言葉が俺の口から飛び出た
「さあ?迷信かどうかは知りませんが、そう言い伝えを信じてる人が沢山いるんですよね。あと、その言い伝えにはもう一つあるんです。」
「もう一つ?」
「はい。なんでも、沢山あるうちの一つは特別らしいですよ。」
「どんな風にです?」
「もし男の方に命が危機的状況の場合、その簪に影響が出るみたいです。」
「そんな摩訶不思議な物ありますか?絶対ないですよ。」
「ですよね。僕もそんな物は絶対にないと思いますから。そんな物があったら作った人は、それこそ異人ですよ。」



