あり得ない。
天地がひっくり返ってもこれはないな。
これは前みたいに誰かの記憶っぽい夢ではなく、れっきとした夢だな。
けど、何故夢にまで籟が出てくるんだ?
「駄目じゃ。」
俺は夢だとわかってもあの二匹の会話が気になって、こっそりまだ聞いていた。
「……籟様…ならできる…」
「あぁ。確かに出来るが、お主には絶対駄目じゃ。」
「…何故?…覚悟は……できてる…」
「ほぅ、覚悟とは。狼であることも、家族さえも捨てるんじゃな?それに、人間は恐ろしいぞ。自分勝手で、乱暴で。」
「……知ってる。……けど、人間……なる。…あの人達…は違う……。」
あの人達?
そういえばあの狼、大きくなっていたからよく分からなかったけど、前にみた夢の小さい狼だ。



