俺は無性に嬉しくなった。
「あと、斎藤さんにも結ってもらうの好きです。けど、」
斎藤さんか?
「…斎藤さんがええんか?なら、やめるで。」
鈴の話を遮って俺は訪ねた。
俺の黒い何かが渦巻いてくる。
「最後まで話を聞いてください。けど、あたしは山崎さんに結ってもらうのが、斎藤さんより好きです。」
「…紛らわしい。」
コツンと、俺は鈴の頭を軽く叩いた。
「っいたい、です。」
「大袈裟やわ。ほら、早うすませるから前向け。」
「はい。」
俺は鈴の髪を結いながら、口角が上がるのを耐えた。
あんな嬉しいこと言われたら、どうにかなってしまいそうだった。



