「あ、やべ。」
鈴木さんは俺を見るとそそくさと鈴の上からどいた。
「鈴木さん?鈴に何をしようとしてたんですか?」
「えっと…、観察…してました?」
珍しく鈴木さんはしどろもどろに答える。
「何故ですか?」
「や、山崎さんが気に入る女の子ってどんな子なのかなって。普段殆ど合わないからじっくり観察してました。」
俺が気に入る?
そんな筈がないこの俺が女を気に入るわけはない。
けど、そんな思いとは裏腹に少し俺は嬉しかったりする。
「…気に入る程気に入ってはないです。ただ副長に頼まれているだけですから。」
俺はまだ眠っている鈴に目をやった。



