…そうか!



昨日籟という鷹に言われたことを思い出す。



"今聞いた事を話したくても話すことが出来なくしてやろう。"



確かそのあと俺は眠ってしまったのだろう。



「山崎、顔あげろ。」




副長に言われ、顔をあげる。



「言えないのか?」



「いいえ。言えます。」



「なら言ってみろ。」



「実は、昨日追い剥ぎから襲われたんです。それで急遽逃げ隠れするために森の中にいたんです。」



よし、ここまでは言える。



問題は昨日、狼と鷹の話がもう一度言えるかどうかだ。



「………〜。」



やっぱり、言えることはできなかった。



「それで森の中にいたんだな?」



「はい。」