ただ鈴の頭を撫でてやる。
それだけなのに俺の心は何故か胸が締め付けられるように苦しい。
苦しい。
苦しいから鈴から手を離すと、無意識に俺の手は鈴へと伸ばす。
手を離し
手を伸ばす
また手を離し
また手を伸ばす
そうこうしているうちに何者らかが、こちらへ向かってくる足音が聞こえる。
「……!」
俺はきっぱりと鈴から手を離した。
小刀を取ろうと腰へと手を伸ばすと
「…しまった。」
俺は自室に忘れたことにまた気付いた。
俺が小刀を忘れたせいで鈴は刀を抜くことになってしまったのだ。
仕方なく俺は鈴を隠すように俺も隠れた
大人しく気配を消せばこの暗闇の中では分からないだろう。
だが、そんな俺の予測とは裏腹にどんどんこちらへと近づいて来る。



