「はぁ…、はぁ…」
俺は気を失った鈴を抱きしめ夜の町を駆けた。
「……で、…しを置いて……の?」
時折鈴の寝言みたいなのが聞こえる。
ふと俺の腕が濡れた。
俺は立ち止まって鈴を見る。
「……!」
鈴は沢山の涙を流しながらうわ言のように
「…許さない。」
と繰り返し呟いていた
そんな鈴を見て、俺は屯所の反対の方向へと踵を返し再びかけていった。
副長申し訳ありません
俺はそう心の中で謝った。
_________
____
俺は宿を探したが、どこも満室で空いていなかった。
仕方なしに俺は森の中へと入った。
森の中は薄暗くて不気味だった。
直様誰にも見つからない木の根の辺りに鈴を下ろした。
いくら森の中でも不逞浪士らがいるからな。