「今晩は。」



「桂さんですか。今晩は。」



夜中に誰かが訪ねて来たと思ったら、珍しい訪問者だった。



「あまり驚かないのですね。」



「これでも驚いています。あの御所の事以来ですから。」



「まぁ、山縣君はいつも冷静ですもんね。」



「桂さんは何しに来たんです?」



「生存確認ですよ。」



そう言って桂さんは小さく笑った。



「そうですか。」



「……まだ、見つからないのですか?」




「見つけたのですが、新選組のところにいるみたいで。」



「また厄介なところに捕まりましたね。どうしましょうか。」



そう言って桂さんは考え込んだ。



詳しく最近教えてもらったのだが、あの池田屋でのことは古高さんを連れ戻そうと長州や肥後の者は集まった。



けど、連れ戻そうと話し合おうとする前に古高さんは新選組に一部の長州の悪巧みを吐いた。



そのあと新選組は集まっていることをすぐに割り当て皆が集まっている池田屋に攻め込んだ。



その時桂さんもいたのだが、事が起こる前土佐の対馬藩邸にいたらしく命助かった。