顔が分からない男の人とあたしが仲良くおむすびを食べていた記憶が一瞬に流れてきた。
この人の声と記憶の中の男の人の声が似てる。
「鶫。」
「…貴方は誰ですか?」
あたしは男の人にそういった。
「俺か?…お前の兄上みたいな者だ。」
兄上…?
ー"今日から俺の事を兄みたいに接しろ。いいな?"
"兄…ですか?"
"あぁ。"
"分かりました。兄上。"ー
「……!」
男の人の顔がよく見え出した。
この顔…
この人にそっくり。
「…兄上?」
ズキン
あたしがそう呼ぶとまた頭痛が襲った。
あと少し…なの。
だから…
だから……
思い出させて…
お願い…
そこであたしの意識は途切れた。