「新八、やめとけ。」
「…っち。」
ドサッとあたしは再び布団の中に投げ出された。
「君、起き上がれますか?」
メガネを欠けている人が声をかけてくれた。
「…はい。」
あたしは再び起き上がった。
「えっと…山崎さん、突き飛ばしてすいません。」
「俺は大丈夫。えっと……」
「なんでもいいですよ。」
あたしがそう言うと山崎さんは暫く悩んでこう答えた。
「鈴さん。」
「すず…、いい名ですね。」
多分この髪飾りに鈴がついていたからかな?
「貴女の声、鈴みたいで可愛らしいから…です。」
山崎さんは照れながらそう言う。
「はぁ…山崎。」
最初の厳つい人がため息をつき、山崎さんを呼んだ。
「すいません、副長。…っあ。」
山崎さんはしまったという顔をして口を手で塞いだ
「副長?…貴方が副長さんっていうんですね。」
他のみんなはばつが悪そうに顔をしかめた。
「副長さん…って変わった名前ですね。なんだか名前じゃないみたいです。」
するとみんなぽかんと口を開けて此方を見ていた。
「鈴さん本気で言ってます?」
「あ、変わった名前って言ったらまずかったですか?」
「いや、そうではなく…」
何?
意味が分からない。



