男が店から出るのを確認すると親父に声をかけた。
「今の男も新選組のものか?」
「そうみたいじゃな。」
「大丈夫なのか?」
「暫くは大丈夫じゃと思うが…」
「何か問題があるのか?」
「最近また辻斬りとか追い剥ぎとかがあの御所の件で増えとる。」
「……やばいな。」
俺は親父の言葉を聞いて焦った。
「けど、まぁ。鶫なら大丈夫じゃろ。」
まぁ、鶫はどんな強い相手でも倒れることはないが。
「そうだな。…じゃあ、俺はもう帰るな。」
「まだ京におるんじゃろ?」
「まだ…な。しばらくしたら長州に戻るからな。」
俺も店を出た。
鶫無事でいてくれよな。
俺はお前がいくら強くても心配なんだ。
だから、何があっても生きろ。